EV(電気自動車)の充電時間は| フル充電に何時間かかる?
電気自動車(EV)をフル充電にする充電時間
電気自動車(EV)の充電時間は、総電力量÷充電器の出力で算出できます。総電力量とは自動車に搭載されているバッテリーの容量で、充電器はEVのバッテリーに電力を蓄えるための装置です。
普通充電の場合
戸建て住宅やマンションといった住宅をはじめ、宿泊施設、自動車販売店、オフィスビル、屋外駐輪場などには、普通充電器が設置されているケースが多くあります。
普通充電器の出力は、3~6kWが一般的です。出力がそれほど高くないため、充電に多くの時間を要します。また、バッテリー容量が大きく長距離を航続できる車種であるほど、フル充電するまでに時間がかかります。
50kWh容量のバッテリーを搭載したEVに、出力3kWの普通充電器で充電するケースでは、以下の数式が成立します。
50kWh(総電力量)÷3kW(充電器の出力)=16.7時間
71.4kWhのバッテリー容量を有するレクサスRZの場合、電欠灯が点灯してからフル充電になるまで、3kW出力の充電器を用いると約21時間、6kW出力の充電器では約12時間を要します。
急速充電の場合
急速充電器は、EVのバッテリーへ速やかに電力を蓄えるための装置です。道の駅やガソリンスタンド、サービスエリア、自動車販売店、商業施設などに設置されており、自宅などプライベートエリアに設置されるケースはほとんどありません。
急速充電器の特徴は充電の速さです。普通充電器の出力が3~6kWなのに対し、急速充電器の出力は50kW以上と遥かに高く、短時間での充電を実現します。バッテリーの劣化具合などに多少左右されるものの、5分間の充電で約40kmの走行が可能です。
大きなデメリットとしては、価格の高さが挙げられます。普通充電器が数十万円で販売されているのに対し、急速充電器は200~500万円、ものによっては1,000万円程度の装置もあります。
なお、レクサスRZの場合、電欠灯が点灯してからフル充電になるまで、50kW出力の急速充電器では約60分、90kW出力なら約40分の充電時間がかかります。
電気自動車(EV)を充電する時のポイント
EVのバッテリーは、必ずしもフル充電にしなくても問題ありません。また、充電時間は充電器の出力だけで決まるのではなく、車種やバッテリーの残量、劣化具合などによっても変化します。
必ずしもフル充電にしなくて良い
毎回、普通充電器でフル充電にしようとすると、その都度多くの時間を費やします。自宅や外部の充電設備までの十分な充電があれば良く、常にフル充電にしておく必要はありません。
また、バッテリーがフル充電の状態を長時間維持することによって、リチウム電池の劣化を招くおそれがあります。リチウム電池の劣化が進むと、蓄電可能な容量が少なくなり、フル充電にしても以前ほどの距離を走行できないと感じるケースが生じます。劣化を防ぐためには、充電は常にフル充電ではなく、80~90%程度をキープしたほうが無難です。
レクサスEVのオーナー様を対象に実施したアンケート調査「2024年2月 TM東京調べ」でも、「充電を満タンにする必要はない」との声があがっていました。レクサスの店舗をはじめ、充電が可能な施設が数多くあることが理由です。
また、「外で充電できるスポットが増えてきた」「外部の充電設備が増加しているため不安はない」といった声も多く見受けられます。
充電時間は充電器の出力のみで決まらない
充電時間は、総電力量÷充電器の出力で算出できますが、この数式で導き出した数字が絶対ではありません。実際の充電時間は、さまざまな要素で変化することを覚えておきましょう。
まず、車種によって対応可能な充電器の出力が異なります。対応出力が最大3kWまで、6kWまでと決まっているため、それぞれに適した充電器を使用しなくてはなりません。
また、バッテリー残量が少ない場合も充電時間が長くなりがちです。リチウムイオン電池の内部電圧は、放電が進むほどに低下します。充電時にはバッテリーの電圧にあわせて行うため、高出力の充電器を使用しても出力が低下し、充電時間も長くなってしまいます。
電気自動車(EV)の充電はいつすればよい?
EVを充電するタイミングは人によってさまざまですが、おすすめなのは夜間の寝ている時間です。眠りにつく前に充電を始めれば、長距離の移動をする場合を除き、基本的には1日の必要な分が充電されています。
最初のうちは、毎回寝る前に充電するのを面倒に感じるかもしれません。ただ、就寝前の充電が習慣化すれば負担に感じることは少なくなります。
また、電力会社によっては、夜間の電気料金が安くなるプランを用意しているため、できるだけコストを抑えたい方におすすめです。日中に充電するよりも電気代を抑えられ、年間単位で考えると大幅な節約にもつながります。
実際、レクサスオーナー様を対象にしたアンケート調査「2024年2月 TM東京調べ」でも、夜間に充電しているとの声が多く見受けられました。以下、いくつかお客様の声を紹介します。
お客様の声
・「深夜料金の時間に充電を設定すれば、朝には充電されており不都合は感じません。ガソリンスタンドに行く必要がなく、とても楽です」
・「夜間の安い電気で充電可能」
・「充電時間はかかりますが、ガソリンスタンドに出向く必要がないなど慣れるとメリットはあるかと思います。太陽光発電設備や、格安の時間帯などがある電力会社と契約すると非常に維持費を抑えられるので戸建ての方は検討しても良いと思います」
電気自動車(EV)の充電時間中の過ごし方
日中に充電をするケースでは、カフェやレストランで飲食する、商業施設でショッピングするなど自由に過ごせます。充電時間をうまく使えるようになれば、新しい趣味や生活サイクルの確立にもつながります。
また、レクサスBEVオーナーであれば、レクサス充電ステーション(日比谷)でさまざまな優待サービスを受けられます。同施設では、充電中の時間も豊かに過ごしてほしいと考え、提携している近隣店舗でのアフタヌーンティーや、サロンでのシャンプー&ブローを特別価格で提供など、おもてなしに力を入れています。
ほかにも、オーナー様へのアンケート調査「2024年2月 TM東京調べ」から、さまざまな充電中の過ごし方が見えてきました。以下、いくつかをピックアップして紹介します。
お客様の声
・「レクサス店のオーナーズラウンジで過ごす」
・「車内で待機が多い。観光施設や商業施設の場合は、観光や買い物をしている」
・「お茶を飲みながらスマートフォン」
・「高速充電中は車内でテレビを見たりして、低速充電中はショッピング」
レクサスEVなら充電の予約が可能
レクサスEVにはタイマー充電システムが導入されており、ライフスタイルにあわせた充電が可能です。あらかじめスケジュールを設定することによって、希望の時間に普通充電を開始できます。
たとえば、電気料金が安くなる深夜の時間帯に充電できるようタイマーをセットすれば、電気代の節約に有効です。ほかに、特定の曜日や時刻に充電を開始する、外出時刻にあわせて充電を完了させるといった活用法もあります。
まとめ
EVの充電には普通充電と急速充電の2種類があり、それぞれ充電に要する時間は大きく異なります。充電時間は充電器の出力だけでなく、車種やバッテリーの残量など、さまざまな要素によって変化する点も覚えておきましょう。なお、EVを充電するタイミングは夜間がおすすめです。深夜の電気料金が安い時間帯に充電することで、コストを節約でき、朝目覚めた際にはその日の運転に十分な量が充電されています。