PHEV(PHV)とは?ハイブリッド(HEV)車やEVとは何が違う?
レクサスではPHEVとしてNX450h+とRX450h+の2車種のラインナップがあります。これから自動車を契約する予定の方はもちろん、すでに所有されている方にも参考となる情報をお届けします。
PHEV(PHV)とは?
PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:プラグインハイブリッド自動車)は、ガソリンと電気の両方を使って走る自動車です。メーカーなどによってはPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)と表記される場合もあります。
PHEVには電気で動くモーターとガソリンで動くエンジンが搭載されています。電気のみでもガソリンでも走れるため、バッテリーが切れた場合に走れなくなってしまうリスクを軽減することが可能です。
ガソリン車よりも静粛性に優れており、電気のみで走るBEV(Battery Electric Vehicle:バッテリー式電気自動車)よりも航続距離が長い点が特徴です。 ※車種によっては、走行状況によって電気のみの走行かガソリンでの走行かに自動で切り替わる機能が搭載されています。(※ レクサスでは、『RX450h+ “version L”』/『NX450h+』)
ハイブリッド車(HEV)との違い
HEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド自動車)もPHEVと同様にモーターとエンジンが搭載された自動車です。HV(Hybrid Vehicle)とも表記されます。PHEVとの最大の違いは、外部充電ができるかどうかという点にあります。PHEVが外部充電に対応している(プラグイン)のに対し、HEVは対応していません。電気は減速時のエネルギー回生によって発生したものが補助的に使われるだけであり、メインはガソリンエンジンで走行するため、一定のガソリン代がかかります。
PHEVもガソリンを給油する必要がありますが、外部充電でバッテリーに蓄電が可能で、電気のみで走る距離が増えるため、HEVほどガソリン代のコストがかかりません。
電気自動車(EV)との違い
EV(Electric Vehicle)はHEV・PHEVを含めた電気モーターを搭載している自動車の総称ですが、通常はBEV(Battery Electric Vehicle:バッテリー式電気自動車)を指します。
BEVはエンジンや燃料タンクを搭載していない、電気のみで走る自動車です。バッテリーに蓄電した電気を使ってモーターを駆動させて走るため、仕組みはPHEVよりもシンプルです。
BEVに乗って充電スポットが少ない地域にお出かけしたり長距離走行したりする場合、バッテリー切れに不安があります。一方、PHEVにはガソリンエンジンが搭載されているため、バッテリーが切れた場合でもガソリン走行に切り替えて運転できます。PHEVは、BEVとガソリン車の良い点を併せ持ちながら快適なエコドライブを実現できる自動車と言えます。
PHEVの充電方法
PHEVの充電方法は簡単です。自宅に設置した充電設備や外部の充電スポットにコンセントを接続するだけで充電できます。自宅に充電設備を設置する場合は、充電設備本体と設置工事のコストがかかります。充電設備が設置できないマンションなどに住んでいる方は、商業施設やサービスエリアに設置された充電スポットで充電可能です。
外部の充電スポットは、主に高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、商業施設、ディーラーなどに設置されています。通常、利用する際は充電カードが必要です。
レクサスのPHEVまたはBEVをご契約いただいた方に外部充電についてのトヨタモビリティ東京BEV・PHEVオーナー様アンケート「2024年2月 TM東京調べ」を実施したところ、PHEVオーナーのうち約6割が「外部充電はしたことがない」と回答した一方で、BEVオーナーは2割程度にとどまっています。以上のことから、PHEVはBEVと比べて自宅での充電だけで十分に走行できる傾向にあることが分かります。
PHEVのメリット
航続距離が長い
PHEVの特長として、まず航続距離の長さが挙げられます。PHEVはガソリンと電気の両方を使って走るため、バッテリーの容量が不足するとガソリン走行に切り替わる仕組みです。そのため、BEVよりも航続距離が長くドライブを楽しめます。
また、電気によるモーター駆動も利用するため、ガソリン車よりもガソリン消費や排気ガスの排出量を抑えられ、地球環境にも優しい点も大きなメリットです。オーナー様へのアンケート「2024年2月 TM東京調べ」でもPHEVを契約した決め手として環境配慮を挙げる回答が上位にランクインしました。
静粛性が高い
PHEVはモーターで走行する際にエンジンを使用しないため、エンジン車と比較して振動や音が少ないです。そのため、ドライブ中でも会話や音楽を満喫できる空間が得られます。
また、モーターでの走行は周囲への音も抑えられる点もメリットです。住宅街や夜間の走行時も音を気にせず運転できます。オーナー様へのアンケート「2024年2月 TM東京調べ」では、PHEVを契約した決め手として「乗りごこち・快適性」が最も多く挙げられています。
PHEVのデメリット
ガソリンの劣化が早い
PHEVは電気のみで走行できるため、長期間エンジンを使用しないケースがあります。長期間ガソリンを使用しない場合、給油タンクに入ったガソリンが劣化してしまいます。
そのような事態を避けるためには、給油日をメモしておいたり、定期的にガソリン運転を行ったりするなどの対策が必要です。また、PHEVの一部車種には一定期間給油されないとエラーが表示される機能や、ガソリンが一定期間消費されないと自動でエンジンを作動させる機能が搭載されています。
車両価格が高い
PHEVにはエンジンとモーターのどちらも搭載されています。そのため、ガソリン車やHEVに比べて車両価格が高くなる傾向にあります。
PHEVを購入する際には、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金といった制度の利用がおすすめです。他にも、地方自治体によっては自動車税などの減税制度も設けられています。車両価格だけではなく、補助金制度や減税制度、抑えられるガソリン代なども含めてコストを比較検討しましょう。
おすすめはレクサスのPHEV
レクサスのPHEVにはNX450h+とRX450h+があります。
NX450h+は、レクサスで初めてPHEVが採用された車種です。PHEVならではの航続距離や静粛性はもちろん、NXシリーズに共通した予防安全性能や衝突安全性能も受け継いでいます。快適で安全なドライブを楽しみたい方におすすめです。
RX450h+は、RXシリーズの特長である約612L(後席後方)の大容量ラゲージルームが設けられている車種です。日常のドライブはもちろんのこと、荷物が多くなりがちなゴルフやアウトドアでも活躍が期待できます。快適性だけにとどまらない、お出かけや趣味に活用する一台を選びたい方におすすめです。
PHEVの特長としては、どちらもナビゲーションから取得した運転履歴や道路・交通状況を基に、燃費効率が良い走行モードに自動で切り替える「先読みエコドライブ」を搭載しています。また、給電システムによって自動車内部の電気を外部に供給できます。停電時の非常電源として、またアウトドアの際に便利な蓄電池としても活用することが可能です。
日常の走行距離などによっては、PHEVよりもBEVが適している場合もあります。あまり遠出利用しないケースや、充電スポットが多いエリアでの走行が多い場合などは、BEVも選択肢に入れて検討しましょう。
まとめ
PHEV(プラグインハイブリッド車)はガソリンと電気の両方を使って走る自動車です。モーターとエンジンをどちらも搭載しており、状況に応じて切り替えられます。そのため、バッテリーが切れても走れなくなってしまうリスクを軽減することが可能です。
PHEVはガソリン車に比べて静粛性に優れており、電気のみで走るBEV(バッテリー式電気自動車)よりも航続距離が長いというメリットもあります。利用ケースによってはBEVがおすすめの場合もあります。ご自身の暮らしや自動車の楽しみ方などに応じて比較検討してみてください。