社用車を現金購入する前に知っておきたい。車のサブスクとカーリースの違いとは
車のサブスクとは
まず「サブスク」の意味をご説明しましょう。サブスクとはサブスクリプションの略で、近年の日本では、あるサービスを利用するために月額や年額で料金を支払う方式として広まりつつあります。例えば動画や音楽の配信サービスがサブスクとしてよく知られています。
そして車のサブスクもそれらと同じように定額で車に乗ることができるサービスです。数年間毎月料金を支払っていくため現金購入と変わらないように思われますが、現金購入とは様々な点で違いがあります。
車のサブスクの仕組みや特徴
では、車のサブスクの仕組みをお伝えしましょう。
サブスクで車を利用する場合、Web上で手続きを完結させることが可能です。例えば希望する車や契約する法人などの情報をフォームに入力して送信すると、審査結果がメールで送られてきます。
審査が承認されていれば引き続きWeb上で契約を行い、車両の準備ができたところで初めて販売店に出向いて車両を受け取ります。納車まですべてWeb上で手続きをするサービスもあります。
現金購入ですと審査のための手続きを販売店で行わなければならないため、サブスクを利用することで販売店に行く手間を省くことができます。
また、メンテナンス費用を月額費用に含んだり、追加で定額制にできたりといったサービスが多くあり、メーカーの正規販売店で修理することができるため、故障してしまった場合も費用を気にすることなくすぐ修理を依頼できて安心です。
他にも、契約期間中に車両を変更することが可能なプランがあったり、保険料や車検代といった諸費用が定額料金に含まれているものがあったりと、サービスによって様々な特徴が見受けられます。
車のサブスクのメリット
前述したWeb上で完結する手続きやメンテナンス費用の他にも、車のサブスクのメリットは以下のようなものが挙げられます。
現金購入と比較すると、主に費用の面でメリットを感じ取ることができます。
初期費用や運用費用が抑えられる
車を現金購入する際、車両価格の他に自動車税や自賠責保険など様々な諸費用が発生するため、初期費用としてまとまった予算が必要となります。また、ローンを組んだ場合分割での支払いとなるため現金購入よりも最初の負担は軽くなりますが、頭金が必要となることがあります。しかし車のサブスクは初期費用として発生する費用のほとんどを月数で割って支払っていくことが多いため、初期費用を抑えることができます。
加えてメンテナンス費が定額料金に含まれているサービスを利用すれば、急な出費が発生しないため運用費用も抑えることができます。
新しい車に乗り続けられる
前述したとおり車のサブスクは初期費用を抑えることができるため、期間が短いプランを繰り返し利用した場合、初期費用を気にすることなく新しい車に乗り続けることが可能です。現金購入は乗り換えの度に自動車税や自賠責保険などの初期費用がすべて発生するため、短いスパンで乗り換えを行うと都度高額な費用を工面しなければなりません。しかし車のサブスクを利用することで、初期費用を抑えるために中古車で検討する、ということがなくなり、安心して新しい車を選択することができます。
また車両を選ぶ際に、発売開始したばかりの新車が選択肢に入ることもあるため、流行っているデザインの車ばかり乗り継いでいくこともできます。
保険料や税金も利用料に含まれる
車のサブスクは、自賠責保険料や重量税などの車を現金購入する際発生する初期費用も利用料に含んで月額を計算しています。特に自動車税は新車購入の場合ですと毎年4月に発生して大きな出費となりますが、車のサブスクを利用すれば、毎年春先だけ自動車税の支払いで車関連の支出が多くなる、ということがなくなります。
また任意保険料まで定額料金に含んでいるサービスもあり、その場合利用者は駐車場を用意して納車された車に乗るだけでいいので非常に簡単に車を利用し始めることができます。
※商品によって異なります。
車のサブスクの注意点
費用の面でメリットの多いサブスクですが、利用するにあたっていくつか注意点があります。現金購入するかサブスクを利用するか検討する際はぜひこちらの注意点について考慮の上決定しましょう。
まずサブスクでの車の所有者は、契約をした法人ではなくサービスを提供している企業になります。そのため、契約が終了して車を返却する際は原状回復を行わなければなりません。例えば、擦り傷やへこみのような、普通に使用していればつかない損傷があった場合、返却時に追加費用が発生することがあります。
また、車は走行距離が伸びると残価が低くなってしまうため、サブスクの車には走行距離制限が設定されています。返却時にその制限を超えていると追加料金が発生しますので、かなりの距離を走る予定があるなら現金購入のほうがよいこともあります。
加えて、サブスクは定額料金を決める際に契約終了時に想定される残価を合計金額から差し引くため、基本的に契約の途中で解約することはできません。サービスによっては理由次第で途中解約できますので、サービスを比較検討する際は途中解約についてもチェックしておきましょう。
車のサブスクとカーリースの違い
車のサブスクについてご紹介してきましたが、その中でカーリースとよく似ていると考えた方もいらっしゃるでしょう。ここでは車のサブスクとカーリースの違いについてお伝えします。
言葉の定義が異なる
サブスクとは、最初に述べたようにサービスを利用することについて月額もしくは定額で料金を支払う方式です。そしてリースは英単語leaseの意味のとおり賃貸借契約、つまり物の貸し借りのことを指します。どちらも長期に渡って何かを使用するため、内容によっては違いがわかりにくいのですが、日本国内の場合サブスクといったら動画や音楽などの配信サービス、リースといったらオフィスのOA機器や家電などといったイメージがありますので、そこから考えるとわかりやすいでしょう。
車の場合は最終的にどちらも車を借りることに繋がるので意味がほぼ同じになるのですが、厳密にはサブスクとリースは違います。
料金とサービス範囲が異なる
車のサブスクとカーリースはサービスがよく似ているのですが、若干異なる部分があります。まず、契約期間についてです。
車のサブスクは長くとも7年程度ですが、カーリースは9年や11年など比較的長期に渡って契約を結ぶことができます。契約期間が長くなると合計料金を割る月数が増えて1ヶ月あたりの支払いが少なくなるため、カーリースのほうが定額料金を抑えることができる傾向にあります。
また、任意保険についても違いがあります。車のサブスクは任意保険やメンテナンス費まで含めて合計金額を設定するサービスが比較的多めです。しかしカーリースは任意保険を含まず別で契約したり、メンテナンスパックという形でメンテナンスに関してカバーしたりと、その2点については多くのサービスがオプションのような扱いをしています。
他にも、車のサブスクは自動車メーカーが扱っていることも多いため、選択できる車がそのメーカーの車のみである一方、カーリースは多くの国産車を扱っているといった違いもあります。もし社用車のメーカーにこだわりがある場合は、その点から利用するサービスを選ぶのもいいでしょう。
車のサブスクとリースはよく似ていますが、いずれにもメリット・デメリットがあります。しかし、どちらも月額での支払いになるため、現金購入するよりも経費の計算がしやすくなります。以上を踏まえて、自社の利用要件に沿った最適な利用方法を検討することをおすすめします。
