法人向けの車のリースの仕組み。購入やローンとどう違うのか

社用車として車のリースを検討している企業が増加してきています。しかし、車のリースの仕組みや現金購入・ローン購入との違いについては、詳しく理解のない方が多いのも事実です。本記事では、車のリースの仕組みや現金購入・ローン購入との違い、またメリットやデメリットについて詳しく説明していきます。
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車を購入する際のリースの仕組みとは

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車のリース(カーリース)は、毎月一定額を支払うことで車の使用権を得る、車のサブスクリプションサービスです。希望する車をリース会社が代行して購入し、利用者は3年・5年などの期間中その車を使用できます。契約満了後は、リース会社にもよりますが、「返却してリース終了」「リース期間延長」「精算して新車に乗り換え」などから選べます。

特徴として、毎月のリース料金に初期費用や自賠責保険、自動車税などが含まれているため、まとまった資金を用意する必要がありません。リース会社やプランによっては、点検や整備もリース料金に含まれます。車関連の手続き・支払いを一本化できるうえ、リース料金は全額経費として処理可能です。

車の購入・ローンとの違い

法人が社用車を導入する場合、現金購入・ローン購入より、カーリースがお得だといわれることがあります。双方にメリット・デメリットがありますが、会計処理やコスト面からカーリースが評価されているようです。それでは、これら2点から現金購入・ローン購入とカーリースを比較してみましょう。

会計処理が異なる

車を現金購入・ローン購入した場合、基本的には「車両運搬具」という会社の資産として扱われます。車両運搬具に分類された車は、購入年から4〜6年(車種による)かけて減価償却を行い、毎年、購入費用の一部を経費として計上します。つまり、初年度は高額な支出でありながら、一括で経費として処理することはできません。さらに、手放すときも売却損益を計上しなくてはならず、手間がかかります。

一方、カーリースは毎月一定額を支払うサービスのため、初年度の出費が大きくなるということはありません。リース料金は全額経費として計上できます。減価償却の計算が不要(※)で、経費処理が簡単になるのがメリットです。さらに、本来さまざまな項目にまたがる車関連の経費を、リース料金としてひとまとめに処理できます。手放すとき(契約満了時)も基本的に手間・費用はかかりません。

※リース資産を長期間独占し、かつリース料総額が300万円以上の場合は、減価償却が認められる。

購入・利用にかかるコスト

現金購入では、車両代にまとまったお金が必要なうえ、登録料や税金、保険料などの諸費用の支払いが必要です。ローン購入した場合も、1回当たりの支払い額は少なく済むとはいえ、総額をローン期間で割っただけで、支払い総額はほとんど変わりません。

一方、カーリースでは、車購入時の総額から返却時の価値(残価)を引いて支払い額が設定されるため、月々の支払い額がローンより安くなります。具体例を見てみましょう。

車両代+諸費用の総額が300万円、2年ローン(リース)、2年後の下取り額が120万円とします。ローンの月々支払額は、12万5,000円(300万円÷24ヶ月)です。対して、リースの月々支払額は、7万5,000円(300万円−120万円=180万円、180万円÷24ヶ月)です。

ただし、ローン購入では車を所有しているので、手放せば売却益が得られます。とはいえ、1ヶ月当たりの支払い額は大きく変わってくるうえ、リースでは売却手続きなどが不要な点は無視できません。

車のリースのメリット

カーリースは、車の現金購入・ローン購入と比べてさまざまなメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを4つ紹介します。

車のリースは頭金不要

通常、車を購入する際は、購入価格の10〜20%程度の頭金が必要です。車は購入価格そのものが高価なため、頭金として大きな初期費用がかかることも少なくありません。一方リースなら、頭金は0円で契約できるため、初期費用で圧迫されることなく契約できます。車を現金購入・ローン購入するときと比べて、より高級な車にも手を出せるでしょう。

逆に、頭金を支払い、月々の支払いを抑えるといった契約が可能なリース商品もあります。経済状況に合わせて、柔軟に対応できるのがカーリースのメリットです。

車のリースは経費として処理の簡易化が可能

通常、車の購入費を経費として落とす場合、減価償却という考え方を用いて経費にします。減価償却とは、固定資産を使用できる期間や価値に基づいて、分割して計上するという経費のルールです。これに基づくと、たとえ車を現金一括購入したとしても、経費として全額処理するには、数年かかることになります。

一方車のリースなら、月々に支払うリース料金をそのまま経費として計上できるため、すぐに支払い金額を経費に計上できます。経理上の処理も簡易化できるでしょう。詳しくは、税理士に相談してみてください。

メンテナンスコスト削減が可能

車に乗るうえでは、車検をはじめとした車のメンテナンスが欠かせません。社用車として複数台車を持っている場合、メンテナンスのスケジュール管理が手間になるでしょう。

カーリースの場合、時期が来たら自動で車検の通知が届いたり、整備工場があらかじめ用意されていたりと、メンテナンスの管理工数が削減できます。

ナンバープレートが選べる

社用車として車を利用する場合、取引先からの信頼性を考え、ナンバープレートにこだわる会社も少なくありません。とくに、レンタカーだとすぐにわかってしまう「わ」や「れ」などのナンバーよりも、通常のナンバーを利用したいと考える企業が多いようです。

カーリースの場合、車はリース会社が所有するものだと捉えられるため、ナンバープレートは通常の車と同様です。さらに、希望ナンバーを申請することもできます。

車のリースのデメリット

カーリースには多数のメリットがありますが、デメリットも存在します。例えば、リース中に傷が付いた場合、返却時に追加費用がかかったり、下取り額が下がったりする点です。ここでは他に、事前に知っておけば回避できるデメリットを2点詳しく紹介します。

プランによっては走行距離制限があることも

リース会社や契約するプランによっては、月平均1,000〜2,000km程度の走行距離制限が設けられています。これは、残価設定で決めた車の価値を下回らないようにするためです。もし走行距離制限を超過した場合は、契約満了時に追加料金を支払わなければなりません。ただし、距離制限がない走行距離フリー契約もあります。上限走行距離や追加料金額は、リース会社によって異なるので、事前に確認しましょう。

途中解約ができない

カーリースでは、通常3年や5年などの契約期間を設定して車を使用します。この契約期間内に解約をしてしまうと、残りの契約期間に応じた違約金が発生してしまいます。また基本的には、契約内容の変更もできません。

カーリースでの途中解約の理由には、事故に遭った、車種を変更したいなどが挙げられます。これらの対策として、カーリースでも任意保険に入って事故に備えることや、車種が変更できるサービスを探すなどの方法があります。ただし、基本的には途中解約をしないようにあらかじめ利用計画を考えたうえでカーリースを利用しましょう。

社用車を導入する際、大きなネックになるのが費用と、手続きなどの業務負担です。カーリースでは、費用面は頭金0円で利用でき、初期費用の負担が軽くなります。重量税や自動車税もリース料金に含まれるのもうれしいポイントです。加えて、購入手続きはリース業者が代行してくれる他、税金の支払いや保険の手続きも不要なため、業務負担も軽減できます。これらの理由から、カーリースを法人で利用する場合、高い費用対効果が得られます。

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